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現状回復コラム

第一回 「現状回復の意味が変わってきた」

●敷金返還を巡り、トラブル頻発

 首都圏の場合、賃貸の契約時には敷金として家賃の2カ月分を大家さんに預けるのが一般的です(最近では敷金1ヶ月あるいはゼロというケースも出ています)。
敷金には法的な根拠はありませんが、慣例として家賃滞納時の補填、入居者退去後の室内を原状に回復するための費用に充てるために預けるものと解釈されています。

 家賃滞納は分かりやすいので、トラブルになることはあまりありませんが、原状回復、敷金返還は長らく、賃貸でのトラブルナンバー1です。これは、原状回復の意味、範囲が大家さん、不動産会社・管理会社によって異なり、そのため、入居者に返還される額が明確でないことが原因でした。

相談内容

相談件数

退去時の敷金清算

2,108件

修繕等管理

1,206件

報酬・費用請求

1,120件

重要事項説明との相違

659件

申込み取り消し

600件

※「東京都に寄せられた相談件数No.1は敷金返還」平成15年度に東京都住宅局(現都市整備局)民間住宅部指導課に寄せられた情報

●「入居時の状態に戻す」=現状回復ではない

国土交通省

 これまで多くの人が原状回復という言葉に、「入居した時の状態に戻すこと」というニュアンスを感じていたと思います。しかし、その場合、新築で入居したとしたら、新築同様にしなくてはいけないということになります。それは現実的でしょうか?

 なぜなら入居者はその部屋に住むことの対価を家賃として支払っています。ですから、生活していれば自然に汚れるものの補修等は家賃に含まれていると考えるべきでしょう。  また、人が住んでいようがいまいが、建物、部屋は年とともに古びていきます。日が当たれば無人の部屋でも畳は日焼けするでしょう。そう考えると、年月とともに劣化、損耗する部分は入居者の責任によるものではありません。

 つまり、入居者が負担すべきものは入居者が故意、過失で壊したり、傷つけたりした部分だけであるべきなのです。となると、原状回復の範囲は、一般に大家さんが思っているよりかなり狭いものになる(当然、その分、大家さん負担分が大きくなります)、それが現在の国土交通省を初めとする政府、自治体などの考え方です。

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