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現状回復コラム

第二回 今、「原状回復」の意味するものは?

●国土交通省の定義は?

 今年2月、国土交通省住宅局は「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の改訂版を出しました。これは平成10年に発表されたものをより詳細に、具体的な例を挙げて解説したものです。ここで定義付けられている原状回復とは以下の通りです。

 原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること

 この意味を図解したのが下の図です。つまり、借りた人の責任で減少した価値分は借りた人に負担してもらおうというのが、国土交通省の考える原状回復の意味というわけです。

:年月と共に建物の価値は減少していく

:古くなった設備等を最新のものに取り替えるなど、建物の価値を増大させるような修繕・改装などは大家さんが負担すべきもの。これはある意味、投資という部分でもある

:通常に使用していて減じる以上に、入居者の住み方、暮らし方で価値を減少させてしまった場合には、その回復に必要な費用は入居者が負担する

:通常に使用していて減じた価値は家賃に含まれており、退去後、それを回復させるための費用は大家さんが負担する

●通常の仕様の意味は?

 図としてみると明快ですが、実際の運用で考えると、判断に迷う点も数多くあります。たとえば「通常の住まい方、使い方」の範囲。同ガイドラインでは何度も出てきますが、それが具体的にどの程度を指しているのかについての解説はありません。

 そこで、この問題に詳しい複数の弁護士に聞いてみました。
 意見の一致するところでまとめると、「たとえば、換気扇の汚れで、一般の人が掃除して除去できる程度なら通常の使用。油が垂れ下がり、専門の清掃会社に依頼しなくてはいけない状態までなっているようなら入居者負担」とのこと。同様に壁紙1枚張りかえれば済む程度の釘穴なら通常使用、下地材まで交換しなくてはいけないようなら入居者負担とも。
 それ以外の実際の負担内容については以降のこのコラムで解説していきます。

※「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(改訂版)は財団法人不動産適正取引推進機構(◎03-3435-8111)で購入できます。定価900円(税込み)

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