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現状回復コラム

第五回 大家さんが負担すべき内容は?(2)

●借りた人が通常の使い方をしていた場合の修理・メンテナンスは大家さん負担

 さて、前回は原状回復の4種類の修理・メンテナンスのうち、次の入居者を確保するため、つまりある種投資的な修理やメンテナンスは大家さんの負担であるという説明をしました。
 今回は、借りた人が通常の使い方をしていても損耗すると思われる部分は大家さんの負担というルールについて解説します。
 これまでの原状回復の実際からすると、この部分を大家さん負担としたことは、大家さんの負担を大きくすることになります。というのは、以下に具体的な部分の例を挙げますが、今まではこれらの大半は借りていた人負担ということが多かったからです。しかし、今後は次第に大家さんの負担が当然という流れになっていくものと思われますので、注意してご覧いただければと思います。

●自然損耗にはこんなものがある

家具設置による床、カーペットなどの凹み
これまでは家具を置いたためにできた床、カーペットの凹みは借りた人の負担という場合が多かったはずです。しかし、家具を置かずには生活できないという原状を鑑みると、設置跡は当然というのが国土交通省などの判断です。

畳やフローリングの色落ち
日焼けした畳やフローリングもこれまで借りていた人の負担でした。しかし、日照を敢えて避けて暮らすのはおかしなもの。また、もし、構造上の欠陥から雨漏りなどがあり、それで変色したのであれば、当然、これも大家さんの負担というわけです。

タバコのヤニ
国土交通省の自然損耗の考え方の根底には、損耗となる事由がどの程度一般的かという判断があります。たとえばペット飼育はかなり増えてきましたが、まだまだ一般的とはいえないと判断されており、そのため、ペットを飼っていた場合の原状回復は借りていた人に厳しい内容になっています。
それをタバコに当てはめて考えると、喫煙は一般的と判断されており、通常の清掃で除去できる程度のヤニであれば自然損耗の範囲とされています。ただし、壁からヤニが垂れ下がるまでに汚されていれば、これは借りていた人の負担。この件に関しては、程度が問題となるわけです。

テレビ、冷蔵庫等の背後の電気焼け
壁面にぴったりとつけて配置すると、テレビ、冷蔵庫等の背後の壁に黒ずみ(電気やけ)ができますが、これも大家さん負担と判断されています。というのは、こうした家電類を置かずには生活できないからというのが理由です。

壁に貼ったポスターなどの跡
これまでは部屋を傷つけてはいけないと、ポスターなどを貼ることで壁の変色の度合いが違ってしまうことや、画鋲やピンの跡などは借りた人負担とされてきましたが、これも自然損耗の範囲に。同様に借りた人が設置したエアコン用のビス穴なども自然損耗とされています。ただし、下地ボードの張替えが必要なほど、深く打ち込まれた釘などは借りた人の負担となります。

鍵の取替え(破損、鍵紛失がない場合)
入居者の入れ替わりに伴い、鍵を交換するのは物件管理上の問題で、借りた人が負担すべきではないという判断です。ただし、これについては現場でも諸説あります。
たとえば、通常の鍵の交換であれば、確かに大家さんの負担だが、それ以上に性能の高い鍵を入居者が求めた場合には借りた人の負担としてもいいのではないか。逆に高性能の鍵をつけることで入居者が増えるなら、それはグレードアップというべきではないか。
防犯問題がクローズアップされ、賃貸での鍵の交換が話題になり、鍵交換料を設定する不動産会社も登場しています。この判断についてはまだまだ論議があるのではないかと思われます。

その他
自然災害による損耗、設備類の耐用年数による故障、使用不能なども大家さんの負担とされています。

●より綿密な修理計画が必要な時代に

 各項目を見れば見るほど、大家さんの負担すべき原状回復が多いことがお分かりいただけるでしょう。こうした負担を吸収しつつ、健全な経営を目指すためには、物件の状況を的確に把握し、大きな出費が必要になる前に、こまめに手を入れるなど、綿密な修理計画が必要。さて、あなたの場合はどうですか?

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