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現状回復コラム

第九回 畳は1枚から、壁は1面からの意味

●壁のクロス張替え、誰がどれだけ負担する?

 壁や床、畳、壁などを原状回復する場合、どれだけの範囲を誰が負担するのかという問題が生じます。

 たとえば壁のクロス。入居者が破いてしまった部分があるとしましょう。当然、その面を張り替えるのは入居者の負担です。では、残りの3面は誰が負担することになるのでしょう?

 これは大家さんの負担になります。入居者の負担で破損した1面だけ張り替えると、他の部分との色が合わなくなり、見た目が悪いですよね?
 そこでたいていの場合は室内全面のクロスを貼り直します。色合わせが必要だったのは破損した部分があったからと考えると、借りていた人が負担すべきと思われるかもしれませんが、部屋をリフォームすることで、次の入居者を確保しやすくしていると解釈すると大家さんの負担ということになるわけです。

 ただし、実際の運用で言うと、色合わせ、模様合わせなどが必要になり、かつ本来であれば貼りなおさなくてもいいような状況であったなどの場合では、破損した面だけではなく、全面を借りていた人の負担とするケースも少なくはないようです。

●借りた人の負担単位の部位別目安は?

 具体的に借主の負担する単位を部位別に見てみましょう。


原則としては1枚単位。毀損部分が複数枚の場合には、その枚数分。裏返しか、表替えから毀損の程度次第。

カーペットやクッションフロア
一部だけの張替えが不能な場合、単位は特になし。複数箇所の毀損の場合は居室全体など、柔軟に運用。

フローリング
原則としては平米単位。こちらもカーペットやクッションフロア同様毀損が複数箇所の場合は居室全体。

壁のクロス
原則は平米単位だが、実際には毀損部分の1面、あるいは居室全体など、判断は分かれる。


1枚単位。


1本単位。

設備機器
補修部分、交換相当費用。また、耐用年数も考慮して、負担の割合を定めることともある。

●借りた人の負担軽減が、これからの流れ

 ここまでの解説に、大家さんの負担増を感じていらっしゃる方も多いでしょう。その通り、国土交通省も東京都も基本的には借りた人の負担を軽減する方向なのです。

 この流れを考えると大家さんとして考えなくてはいけないのは以下の2点です。

1.キレイに使ってくれる入居者に入居してもらう
何度か取り上げてポイントですが、汚した、壊した後のことを考えるより、マナーを守り、部屋を大切にしてくれる入居者を選ぶほうが前向き。信頼できる目をもった不動産会社に審査してもらい、かつ、部屋の使い方のアドバイスしてもらうことで、そもそもの負担を減らしていく方向を考えましょう。

2.リフォームのラクな素材、汚れにくい素材を考える
リフォーム時の費用負担を抑えるためには、室内の素材選びも大事です。部分的に交換できる、あるいは汚れにくい、傷が付きにくいなどの素材を考えて、順に交換していくなども考えてみてはと思います。最近では汚れを付着しにくくするコーティングなどもありますので、今後、順次ご紹介していきます。

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