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さて、その大家さん業。上原さんの弁によれば「そんなに儲かるもんじゃないなあ。大家の仕事はお金がかかるよ」。自分の家ではないと思うからか、貸家は傷みが早いと上原さん。そこで、不動産会社の言うとおりに修理をまめにやると、それにお金がかかってねえ……。
最近では大家さんが敷金を原状回復の原資に充てることが批判されるようになっていますが、それ以前には上原さんのように、大家さんが修理などをしてくれるのが一般的でした。上原さんはその、昔と同じやり方で、大家さん業に取り組んでいらっしゃるわけです。
修理にお金がかかるなら、そこで手を抜けば良さそうなものですが、そうもいかないと上原さん。「ずっとここにいるんだから、変なことはできないよ」。
子どもたちの幼稚園、小学校などのPTA活動、日本一大きな町内会の会長、そして市議会議員など、地元との関係の深い上原さん。昨年娘さんの小学校が130周年を迎えたときには全校生徒に紅白の餅を配るなど、頼まれれば無償でも奉仕するという姿勢は、聞いているだけで潔く、頭が下がります。それが地元で知られないわけがありません。大家さん業で任せている不動産会社はもう20年以上の付き合いというのも、頷けるところです。
この周辺では、地域内での住み替えが多いと聞きました。他の地域から引っ越してくるのではなく、地域内の賃貸物件で住み替える。そうしたときに、地元での評判は大事なポイントです。あそこの大家さんなら滅多なことはしない。空室も目立つ状況下で、「不動産会社任せさ」と笑っていられるのは、そうした、長年の信用あってのことなのだと思います。
ちなみに、上原さんの無私の姿勢は他にも影響するのでしょう。仕事が休みだからと無給で草むしりしに来る人、地元の集まりがあるからと、ご飯を作りに来る人、あるいは梨をもぎに来る人など、上原さん宅にはいろんな人が集まるとか。私も一度、何かのお手伝いをさせていただきたいと思っています。
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