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ユーザーを知っているということは、ニーズに合わせた物件作り、賃料設定につながるわけですが、もうひとつ、物件のアピール方法にもつながります。
「何年か前に他の2社が仲介してなかなか決まらない部屋がありました。築10何年、でも38uの広いワンルームで、打ち放しに、今はないような木製サッシの入った部屋でした。建築家が建てた、独特の雰囲気、それに好みに合わせて仕切れるような機能性もある。ところが、それまで扱っていた会社はおざなりのコピーに間取り図を用意していただけ。私たちが、その特徴を克明に書いたチラシ、ネット上での物件紹介をしたところ、ネット経由で決まりました」
おかしかったのは、川名さんが用意した物件資料を見て、以前扱っていた会社が問い合わせを入れてきたということ。同じ物件でも説明が違うだけで、どれだけ見え方が違うか、いい例です。
たとえ、1戸しかない物件でもその物件の魅力、セールスポイントを見つけるのに、時間をかけるという川名さん。特にネットユーザーはおざなりな言葉ではなく、より具体的な説明や書いた人の見える説明に興味を持ちます。会社の規模は小さくても、ネット利用者の中での認知度が高いという点には納得できます。
とはいえ、一部屋一部屋に違うセールスポイントを考えるのは、大変な作業では?
「確かに大変ですが、誠実にやるというのがこの仕事の基本。大事な資産を託していただくためには信頼していただかなくてはいけない。そのためには裏表なく、誠実であること。報酬次第で動き方を変えるようでは信頼は得られないでしょう」
今どきの若い人に受けるデザイナーズの作り方といった、軽いテーマのつもりでお願いした取材で、久しぶりに、真正面から「誠実にやる」という言葉を聞きました。
そこで結論は当初の意図とは違ったものになりました。大家さんは、こうした言葉を真剣に言える不動産会社をビジネスパートナーに選びたいですね。
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