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賃貸インタビュー 第3回
カワナ・ネットワーク 代表取締役 川名浩さん
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デザイナーズって何?
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毎年年末に、翌年注目の物件を紹介する雑誌記事を手がけてい
ます。そのうちで一際印象に残った物件のひとつにLaguz(ラグズ)
という、いわゆるデザイナーズマンションがありました。防音室や、
駐車場から室内に入れる間取りなど、個性的でかつ、全室異なる間
取りが用意されている点が面白いなと思ったのでした。
そこで、お邪魔したのが、この物件のプランニング、集客、管理
を手がけているカワナ・ネットワークさんです。
ところが、
「マスコミでもネットでも、デザイナーズという単語をよく使いま
すが、私たち自身は使ってはいません。だって、なんとなくは分か
るけれど、具体的にどんな物件かと考えると、分かりませんよね?」
……。確かに安易な言葉かもしれません。
「でも、今回、自分なりに定義を考えてみました。賃貸だから住め
る、インテリアにこだわったるなど、住む人のこだわりを実現でき
る住まい、それがデザイナーズかな、と。だから、それを求めてい
る人がいるのが分かる半面、別にデザイナーズを求めていなくても、
間取りや賃料など、あらゆる面で住みたい部屋なら借りてくれると
思うんですよ」
実際、カワナ・ネットワークさんの管理している物件はとんがっ
たデザインのものばかりではありません。今回もたまたま、一般的
にデザイナーズと呼ばれる物件に仕上がっただけなのだそうです。
「会社を立ち上げて半年後にはホームページを立ち上げていました
から、もう9年ほど。ネットを通じてユーザーのニーズ、ノウハウ
を汲み上げて来ました。それを反映させた結果がたとえば、Laguz
だったりするわけです」
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デジタルを通じてアナログな仕事
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今どき、どの不動産会社でもホームページ自体は持っているでし
ょう。でも、9年余という会社は希少。さらに、川名さんはログの
分析より、リクエストやクレームなどをじっくり読み込むという使
い方をしているそうです。
「数を集めての分析は大手にはかなわない。でも、こういう人が、
こういうものを求めているなど、アナログの分析なら、小さい会社
のほうが逆にじっくりできます」
不動産会社の存在意義についての講演で、川名さんは「エンドユ
ーザーを知っている、幅広く他社の物件を知っている、つまり、マ
ーケット全体の状況を知っているのが不動産会社。これは大家さん
にはできないこと」と仰ったそうですが、たしかに、こうした長年
の地道な蓄積があればこその発言でしょう。
その蓄積は当然、賃料設定にも及びます。
「今の人たちは大家さんより価格に敏感です。同じ建物内で階数が
高くなると家賃が高くなるのが当然で、しかも上階から決まるのが
これまでの常識。ところが、今は同じ間取りで2000円、3000円の差
なら安いほうから決まることもあるのです。勘で値付けなど、これ
からは通用しません」
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1部屋1部屋にセールスポイント
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ユーザーを知っているということは、ニーズに合わせた物件作り、
賃料設定につながるわけですが、もうひとつ、物件のアピール方法
にもつながります。
「何年か前に他の2社が仲介してなかなか決まらない部屋がありま
した。築10何年、でも38uの広いワンルームで、打ち放しに、今は
ないような木製サッシの入った部屋でした。建築家が建てた、独特
の雰囲気、それに好みに合わせて仕切れるような機能性もある。と
ころが、それまで扱っていた会社はおざなりのコピーに間取り図を
用意していただけ。私たちが、その特徴を克明に書いたチラシ、ネ
ット上での物件紹介をしたところ、ネット経由で決まりました」
おかしかったのは、川名さんが用意した物件資料を見て、以前扱
っていた会社が問い合わせを入れてきたということ。同じ物件でも
説明が違うだけで、どれだけ見え方が違うか、いい例です。
たとえ、1戸しかない物件でもその物件の魅力、セールスポイン
トを見つけるのに、時間をかけるという川名さん。特にネットユー
ザーはおざなりな言葉ではなく、より具体的な説明や書いた人の見
える説明に興味を持ちます。会社の規模は小さくても、ネット利用
者の中での認知度が高いという点には納得できます。
とはいえ、一部屋一部屋に違うセールスポイントを考えるのは、
大変な作業では?
「確かに大変ですが、誠実にやるというのがこの仕事の基本。大事
な資産を託していただくためには信頼していただかなくてはいけな
い。そのためには裏表なく、誠実であること。報酬次第で動き方を
変えるようでは信頼は得られないでしょう」
今どきの若い人に受けるデザイナーズの作り方といった、軽いテ
ーマのつもりでお願いした取材で、久しぶりに、真正面から「誠実
にやる」という言葉を聞きました。
そこで結論は当初の意図とは違ったものになりました。大家さん
は、こうした言葉を真剣に言える不動産会社をビジネスパートナー
に選びたいですね。
かわなひろし
早稲田大学商学部卒。西武流通グループ(現セゾングループ)潟X
ミスマーケティング部で店舗開発・商品開発等に関わるマーケティ
ング業務に携わり、その後、潟Pイワン等を経て、1996年東京都東
中野にカワナ・ネットワークを設立。設立後すぐにホームページを
立ち上げ、現在では毎月コンスタントに6万数千以上のアクセス数
があるそうだ。
http://www.kwnet.co.jp(一般のユーザー向け)
http://consultant.jp/(大家さん向け)
原状回復コラムG
長く住めば大家さん負担が増える
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長く住めば住むほど、
経年変化、通常損耗も増える
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長く住み続けていれば、当然室内は汚れますし、設備も古びてき
ます。これまでは、その分の原状回復の負担は入居者という考え方
をとる人が少なくなかったようですが、国土交通省のガイドライン
では明確に、これが間違いであると指摘しています。
というのは、長く住んでいれば、経年変化、通常損耗する部分が
増えるからです。実際、入居1年で設備を壊してしまった場合と10
年目で壊してしまった場合では、壊されたものの価値が違うはずです。
設備や品目にもよりますが、1年目なら、まだまだ耐用年数は残っ
ているでしょうし、10年目なら償却してしまっているでしょう。そ
れなのに、入居者が負担する額が同じでは不合理というのがガイド
ラインの指摘です。
たとえばカーペットの償却年数は6年で残存価額は10%とされて
います。カーペットが新品時に入居した場合、6年後にその価値は
10%になります。そこで、入居者がカーペットに不注意で焼け焦げ
などを作ったとして、退去時に交換することになったとすると、入
居者が負担すべき割合はその10%ということになります(実際には
取替え部分などによっても変わってきますが、ここでは説明を簡単
にするため10%としています)。
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入居年数で
負担の割合を決定
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ところで、すべてが新品の状態ならいざ知らず、築年数が経って
くると、設備や部分によって交換の時期がずれてきます。となると、
どれが何年後にどのくらい償却されているのかなどを正確に知るこ
とは現実的に不可能。
そこで、ガイドラインでは、誰にも分かりやすい入居年数を目安
にすることを提案しています。当初の時点を何%とするかは貸す人、
借りる人で確認、そこから入居年数で償却していくという考え方です。
この場合、入居前に壁紙等を張り替えていれば、その部分は100%
としてのスタートになります。そのため、入居前に何を新しくした
のか、していなかったのはどこかを明確に入居者に説明しておく必
要があるでしょう。
最近では年数による負担の割合の表などを契約時に入居者に配布
している不動産会社もあります。こうしたところに頼んでいれば、
後々トラブルになる可能性は少ないでしょう。
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襖・障子や畳表、
フローリングの部分補修は例外
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ところで、室内のすべてが入居年数で価値が低減していくろいう
考え方で整理できるわけではなりません。
たとえば、今では少なくなりましたが、襖や障子、畳表などは消
耗品といっていいほど、価値の減少が大きなものです。そのため、
減価償却の考え方を取り入れることは難しいとして、ガイドライン
は毀損の軽重に関わらず、入居者負担とすることが妥当としています。
同様に、フローリングの部分補修は、将来的には全面的に張り替
えるものとすると、単なる途中経過であると位置づけ。部分的に補
修しても、フローリングの価値が上がったとは考えられないため、
入居者が負担するべきだとしています。(もちろん、全面張替えと
なると、別の話になります)
いずれにしても、築年数が経過するほど、手を入れる時期が部屋
や建物によってずれて、分かりにくくなってきます。しかし、それ
をそのまま放っておくと、敷金の管理、返還などにつじつまが合わ
なくなることも考えられますから、こまめに記録しておきたいとこ
ろです。
編集部の独り言H
具体的な記述、というもの
今回の賃貸インタビューでも書きましたが、雑誌で物件を紹介す
るような記事などを作っています。そこで、不思議なのは、不動産
会社さんからいただく資料のそっけないことです。
「新築デザイナーズ」
「すばらしい眺望」
「充実した設備」
私が不動産会社さんだったら、
「この地域でこの春、新築は希少!コンクリート打ち放しに赤いド
アがポイント。床暖房でコンクリートでも室内は暖か!」
「リビングの窓から正面に六本木ヒルズが見えます」
「カラーテレビモニタ付きインターホンで来客が確認できるから、
一人暮らしでも安心」
と、最低でもこのくらいは書きます。本当は記事のようにもっと
書きたいところです。実際、いろんな物件資料の中から、どの物件
を記事で取り上げるかを考えるときに、ポイントになるのは記述が
具体的な物件です。紙1枚で判断するとしたら、そこにある情報が
より多いほうが有利なのは当然でしょう。
そして、多分、部屋を借りる人も同じことを考えるはずです。ネ
ット上の広告でも同じです。
としたら、大家さん、あなたの頼んでいる不動産会社さんはどの
程度、あなたの物件の特徴を具体的に把握し、それをアピールして
くれていますか?オンシーズンを前に一度、自分の物件のチラシや
資料を見せてもらってはいかがですか?
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