出来る大家
   運営  免責事項  リンク集  サイトマップ
空室対策1,000の知恵
contents
空室解消Q&A
賃貸経営Q&A
大家さんの掲示板
原状回復コラム
賃貸経営ニュース
HOME

HOME>メールマガジンバックナンバー

メールマガジンバックナンバー

賃貸インタビュー 第5回

リングアンドリンク梶@金丸信一さん

──────────────────
時間をかけて物件を探す消費者が大半、
従来の広告1回では空室は解消しない
──────────────────

 「不動産屋さんに行く前に」と題するメルマガに注目し
ていました。不動産会社のインターネット利用法を見るこ
とで、そこがどんな会社か判断できる、消費者はネットで
何を見ているのか……など、役立つ情報満載のメルマガだ
ったからです。

 当然、発行者は不動産業界の人と思っていたのですが、
これが全く違う業界の方。プロフィールをお読みいただけ
れば、なぜ、この人がと思う人も多いはず。たまたま、ソ
フト開発に携わるようになったことから、いまや、不動産
会社のインターネット利用に関してはプロに。多少、離れ
た立場だからこそ分かる、これから大家さんが付き合うべ
き不動産会社の見方をお伺いしてきました。

 お目にかかった第一声は「世の中は変わっているんです」。

「10年も前から物件は余っていました。でも、消費者はそ
れを実感できなかったから、否応なしに勧められた物件で
決めてきたのです。しかし、インターネットをきっかけに、
今は探せば物件はあるんだ、売り手市場でなく、貸し手市
場だったんだと気がついてしまったのです」

 そこで消費者は、焦って探したり、決めたりしなくても
いい。物件を、不動産会社をじっくりチェックして選べば
いいと思い始めたのだと金丸さん。そのため、検討期間は
どんどん長くなっており、売買では半年、賃貸でも1カ月、
長い人だと3カ月以上かけることもあるのだとか。

「ところが、多くの不動産会社はそれに気づかず、お金を
かけてどんと1回広告を出して、それで勝負というやり方
を続けています」

 広告を打ってそれで決まらず、次を出す予算がないとす
ると、その物件の情報を消費者は知る由もない。決まるわ
けはありません。

「でも、消費者は一度問い合わせを入れて、それでダメで
も探し続けているのです。そこに適切な情報を提供できれ
ば、1カ月後、2カ月後に決まる可能性はあるのです」

 そのためには問い合わせのあった顧客をデータベースに
残し、メルマガなどで情報を発信、消費者との接触を点で
終わらせることなく、線につなげていく必要があるのだと
金丸さん。「しかも、それをタダでできるのがインターネ
ットのメリットです」

──────────────────
リフォーム、賃料値下げは
チキンレースの始まり
──────────────────

 空室が続くと不動産会社の多くはリフォームや賃料値下
げを提案しがちです。

「でも」と金丸さん。きちんとした裏づけがあっての提案
であればまだしも、単純に『下げれば決まるのでは』程度
であれば、「5年後、10年後はどうなります?ずっと値下
げし続けなくてはいけないのですか?」

「所沢で10室のマンションを持っていたとしましょう。で
も、所沢に住みたい人は10人だけじゃありません。もっと
います。ただ、借りたい人はあなたの部屋を知らない」

 そこで大事なのが、顧客のデータベースであり、その顧
客に向けての情報発信です。この顧客の中には問い合わせ
を入れた人から契約してくれた人までが入ります。契約し
た人にも情報発信を続ければ、住み替え時には「また、こ
こで借りよう」という発展もあり得ます。

「こうした会社であれば、消費者に向けて提案営業ができ
ます。家賃を下げなくても『古くてぼろぼろだけど安い部
屋があります、どうですか?』という提案ができるんです。
もちろん、同じことを大家さんにたいしても提案できます
から、単純に『下げれば決まりますよ』とはならないはず
です」

──────────────────
勉強不足では、
有能な不動産会社とは付き合えない
──────────────────

 つまり、大家さんとしては、こうした仕事のやり方をし
ている会社をビジネスパートナーに選べば、空室の不安を
抱えることはないということですね?

「う〜ん」とちょっと意地悪そうな表情の金丸さん。

「大家さんはもっと経営感覚を持って勉強しないと。ちゃ
んと努力し続けている不動産会社なら、不動産会社からの
提案、情報に耳を傾けない、でも実務は任せきりという大
家さんとは付き合いたくないでしょうからね」

 期間限定の仕事でない以上、不動産会社は10年先、20年
先までずっと付き合える誠実なビジネスパートナーであっ
て欲しいもの。そして、お互いに長く付き合える、付き合っ
てよかったと思えるためには、大家さんも変わらなくては
という金丸さん。

「そもそも、経営感覚のない大家さんの物件は入居者のこ
とを考えていないから、店子さんも楽しくない。それで空
室になって、でも、ダメな不動産会社にしか頼めないとなっ
たら悪循環。もっと勉強して、誠実に顧客にアプローチし
続けている会社を探す努力をしてください。顧客に誠実な
会社なら大家さんにも誠実なはずです」

 かなり耳に痛いアドバイスでした。でも、これまでこの
人のメルマガ読者として、不動産業界の状況、努力してい
る会社の例をみてきた私としては、きわめて正論、正しい
アドバイスに思えます。皆さんはどう思われますか?

かねまるしんいち

1962年東京生まれ。金型メーカー(有)金丸精機製作所を日
本有数のR&D型精密測定機メーカーを成長させ、トルク
変換機やレーザー測定器、画像処理システムの開発に成功。
2000年には科学技術庁の補助金を受けて動脈硬化治療用レ
ーザー発振器「シリウス」を完成させている。その後、不
動産業営業支援システム「@dream2000」の開発をスタート。
消費者と不動産会社をつなぐ「さらなりドットネット
」http://www.saranari.net/や、メールマガジン「不動産
屋さんに行く前に」「カリスマ不動産会社が答える」など
の活動を続けている。

<金丸さんの本が出ました>

インターネットで賃貸の営業方法を変革させてきた金丸さ
んのこれまでのノウハウ、不動産会社の実例をまとめた
『街の不動産屋さん、待ちの経営から抜け出す』(さくら
パブリッシング 発売:星雲社 本体1600円)が出ました。
本来、不動産会社向けの本とのことですが、大家さんにも
十分役立つ書籍だと思います。興味のある方は是非、お近
くの書店でご覧ください。

■賃貸経営Q&A
 アパート建て替えまでにやらなくてはいけないことは?

Q、築30年以上、古くなったアパートを建て直そうと考え
ています。ただ、入居者もいるので、すぐにというわけに
もいきません。必要な段取りを教えてください。

A、立ち退き問題と建築問題が解決すべき2大ポイント。

築年が古くなると、入居率が下がりますし、修繕やメンテ
ナンスにもお金がかかります。あまり収益が悪化する前に
建て替えるのが得策。といっても立ち退きから建設着手ま
でには1年、2年とかかることがありますから、長期的な
計画を立てて臨むことが大切です。

それでは以下、具体的な段取りを考えていきましょう。

@全体の事業計画を立てる
まずは期間や予算、どんな物件を建てるか、そのためにど
この不動産会社をビジネスパートナーに選ぶかなど、事業
計画の全体を考えます。

A立ち退き問題の対処法を考える
入居者がいる場合には立ち退いてもらう必要があります。
このときの方法には
●時間をかけて交渉し、入居者にも納得してもらい、退去
してもらう。
●一定の立退き料を払い、それほど時間をかけずに退去し
てもらう。
●建て替え期間の代替住宅を用意、完成後にまた入居して
もらう。
の3種類が考えられます。どの方法をとるかは、全体の事
業期間の長さ、資金、現在の入居者層などとの兼ね合いで
考えることになります。もちろん、入居者によって対する
やり方を変えることもあり得ます。
 ちなみに立ち退き料ですが、率直なところ、ピンからキ
リまでというのが実情。引っ越し代と新居契約時の必要費
用程度という場合もあれば、数百万円ということも。ただ、
一般には賃料の半年分から1年分程度が多いようです。

B解体、着工から募集まで
立ち退き問題のメドがついたら、あまり時間を置かずに解
体、着工に進みたいところ。早めに工事関係の手配をして
おき、すぐさま着工できる段取りを取っておきましょう。
そして、最後は募集。入居者確保は@の時点でニーズに合
わせた物件が検討、計画されていれば、それほど問題ない
はずです。
いずれにしても、相続を睨んでの建て替えなどであれば、
早めの着手が必要。予定を立てても、立ち退き問題などは
こちらの計画通りに進まないこともよくあります。また、
時間が余分にかかることも想定、資金的にも余裕もみてお
く必要があります。


■編集部の独り言K

 東京都がこれからやりたいこと

 冒頭にも書きましたが、都庁に取材に行きました。テー
マは昨年10月から施行された「東京における住宅の賃貸借
に係る紛争の防止に関する条例」についてでした。

 これはご存知の方も多いと思いますが、賃貸の契約時、
重要事項を説明する際に、合わせて原状回復の基本的な考
え方、これから結ばれる契約では原状回復をどのように取
り決めているか、特約があればその内容、入居中の修繕関
係の連絡先などをの説明を宅建業者に義務付けたものです。

 ところで、都がこうした条例を考えていると、昨年2月、
最初に報道されたときの記事を覚えていらっしゃいますか?
当初の記事では「礼金、更新料のない契約の普及に進めて
いく」というような報道があったはずです。でも、実際に
施行された条例は礼金、更新料には全く触れていません。

 でも、これはただ、ストップしているだけです。都庁担
当者の弁によれば、本来の条例は原状回復と礼金、更新料
が2本柱。ただ、礼金、更新料については不動産会社の抵
抗が激しく、今のところ、実現できていないだけなのだと。

 もちろん、今後の成り行きはまだ分かりません。このま
ま、手をつけられずに行くのか、あるいはどこかで礼金、
更新料の見直しが行われるのか……。いずれにしても、動
向は見守っていく必要があります。

空室解消Q&A賃貸経営Q&A現状回復コラム賃貸経営ニュース賃貸インタビュー