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賃貸経営Q&A

入居者の事故、事件や近隣とのトラブル

支払い督促と調停の違いは?

Q

未払いの家賃を徴収するための手段としては調停という制度があると聞きました。
これは支払い督促とは違うものですか?

A

いずれも訴訟の前段階という位置づけと考えられますが、内容としてはかなり違うもので、相手との関係などでどちらを利用するか判断すべきです。
支払い督促も調停も裁判所(民事調停は支払い督促同様、簡易裁判所の扱い。家庭内の争いに関わる家事調停は家庭裁判所の管轄になります)に争いごとの解決を求めるものですが、支払い督促と調停とは全く別の制度です。

詳細

●争いに勝ち負けをつけるのが訴訟、互いに納得いく合意を探るのが調停

 まず、調停と訴訟についてご説明します。

 そもそも、当事者間の争いを解決する制度として、裁判所では訴訟と調停の2つの制度を設けています。いずれも当事者間が話し合い、あるいは相違点をぶつけあうことで、争いを解決しようというものですが、立ち会う人間の意味、そして結論を出すまでの経緯、そして手続きに違いがあります。

 その違いを、ざっくり説明すると、訴訟では裁判官が判決を出し、争いごとの勝ち負けを決めますが、調停は調停委員という第三者に参加してもらうことで、基本的には当時者同士が納得のいく合意を目指すのが目的です。
 調停でも訴訟同様、合意した文書は裁判での判決同様の効力を持ちますが、申し立ては簡単で弁護士は不要ですし、費用的にも安価で済みます。
 ただし、調停で合意を見なかった場合(どちらかに不満があるけれど、概ね合意したという場合もありますが)で、引き続き、争いの解決を求めるときには訴訟へ場を移すことになります。
 ですので、調停の場に出席する意思があるなど、双方に解決を求める気持ちがある場合には調停は有効ですし、お互いに無駄な費用を使うことなく、公平な解決を得る可能性があります。

●支払い督促は一方的な通知、異議申し立てがあれば訴訟に移行する

 これに対して支払い督促はいわば、一方的な通知です。支払い督促は支払いを求める側からの請求があれば、その内容を問わず発行され、受け取った側が異議を申し立てなければ請求が決定するというものです。こちらも、異議の申し立てがあれば、訴訟へ場を移すことになります。

 最終的な手段として訴訟があるという意味では支払い督促も調停も訴訟の前段階と考えることができます。一方的に支払いを要求するのか、話し合おうとするのか、そのあたりに違いがあり、そこにそれぞれの制度のメリット、デメリットもあると思われます。
 つまり、話し合いに応じて家賃を支払ってくれる相手なのか、そもそも、話し合いの土俵に乗ることが想定できる相手なのか……。どちらが良い手段なのかは、これまでの相手との関係なども含めて考えるべきかと思います。

 また、支払い督促も調停も、相手に通達が行われることが前提となっています。つまり、郵便物などを届けることが可能であるという意味で、行方不明になっている場合などにはいずれの手段も無効で、そうした状況であることを明確に証明する資料を揃えた上で訴訟という形になります。

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