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これまでは金銭で納付することができない金額について、
納税者が自分で一定の算式にしたがって計算し、計算の明
細や根拠を提示して申告してきました。といっても、算式
自体に具体的な指標が示されていたわけではなかったので
すが、今回の改正で、それが明確化されました。
その算式ですが、
@所有している現金、預貯金と相続した現金、預貯金を足
して、手元にある、税金に充てられる金銭の合計額を出す。
Aそこから生活と事業などの維持のために必要と認められ
る金額を引きます。この場合の生活と事業に必要な金額と
は以下のものです。
・退職間近の人の老後の生計費
・子どもの学費
・子どもの結婚費用
・事業上の運転資金
・自宅取得、建替えのための費用
B上記の計算で出た額を納付すべき相続税額から引きます。
Cこの答えが金銭で納付することが難しい金額となります。
ここで大事なのは、@の部分。
相続した現金、預貯金以外に、相続した人がこれまでに貯めたお金や、給料として
もらうお金なども、相続税を払うための原資とされること
が明確になったのです。これはつまり、相続した現金、預
貯金で足りなければ、自分の財産から払いなさいというこ
と。早めの相続対策をしておかなければ、預貯金などを取
り崩す羽目になるということです。
なお、延納の場合には生活に必要とされる費用の3カ月
分に相当する額と、事業の継続のために当面必要な運転資
金を差し引いて計算することとなります。
これ以外にもいくつか、変更のあった点を以下にまとめ
ます。
・延納中の物納への切り替えが認められました。これまで、
バブル崩壊語の一時期、特例として認められたことがあり
ましたが、制度化されたのはこれがはじめて。延納を選択
後、金銭納付が難しくなった場合には、申告期限から10年
以内に限り、延納税額から納付期限の来た分の納税額を限
度として、物納を選択できるようになりました。その際の
物納する土地等の価格は物納申請時の価額となります。
・超過物納が認められました。これは税金が1億円で、物
納すべき土地が1億2000万円だとした場合、土地を2000万
円分残すことが難しいため。これまでも、認められている
ケースはありましたが、今回の改正では明文化されました。
・国有財産と隣接地の交換制度が創設されました。これは
国有財産である土地と隣接する土地を交換することに応ず
れば、一定の要件のもとで課税の繰り延べが認められると
いうもの。これによって国有財産が売りやすくなり、また、
道路条件の悪い、売りにくい土地の条件が良くなり、物納
劣後財産であっても物納が認められる可能性が高まるので
はないかと言われています。
今回の改正は非常に大きなものでした。駆け足で説明し
たので、分かりにくい点も多かったのではないかと思いま
す。大事なことは、何度も書きましたが、早めに対策を打
っておかないと、相続時が大変だということ。特に財産の
大半を土地や賃貸物件として所有している大家さんの場合
には、税金を払うための現金・預貯金がないケースも多々
ありえるはず。相続の話はなかなか互いに切り出しにくい
ものですが、今後はそうも言っていられないはず。個別に
どのような対策が必要かは異なりますから、身近な専門家
にご相談なさるようになさってください。
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